親の態度で子供の性格が決まる?

親子で使える心理学実践家のアスモです。

「親の態度で子供の性格が大きく変わってしまう」
と聞いてどう感じますか?

ネガティブに捉えれば、「あなたの態度次第で
子供の一生を左右してしまうので責任重大!」

とも言えますし、ポジティブに捉えれば、
「工夫次第、心がけ次第で子供に
良い影響を与えられる!」

とも考えられますよね。

「昔から子供は親の背中を見て育つ」とは
言われてきましたが、心理学の研究でも、
親の態度が子供の性格に及ぼす影響について
研究が進んでいます。

サイモンズ式分類

サイモンズ式分類では子供の性格に
親の養育態度が大きな影響を与えると
考えられています。

もちろん、遺伝や周囲の環境、子供自身が持って生まれた
性格傾向というものもありますので、親の態度だけで
子供の性格が全て決まるわけではありません。

ですが、親の態度が子供の性格に与える影響は
少なくないことが分かっています。

「支配」「服従」「保護」「拒否」

サイモンズ式分類では、親の子供に対する態度は、
「支配」「服従」「保護」「拒否」の4つに分けて
考えられています。

そして、その4つの組み合わせで以下の
4つのタイプに分類されています。

「支配」+「保護」=過保護
「保護」+「服従」=甘やかし型
「拒否」+「服従」=無視型
「支配」+「拒否」=残忍・残酷型

それでは、各タイプの特徴を紹介していきます。

支配型

子供に対して高圧的な態度を取ります。

命令や強制で子供をコントロールし、
いうことをきかせようとする態度です。

子供は従順になり、親の顔色を伺う
ようになります。

その結果、自発的に動けなくなり、
消極的な性格になりやすいと言われています。

服従型

支配型とは逆に、親が子供の
顔色を伺うような態度です。

極端にいうと、親が子供の言いなりに
なるような状態です。

欲しいものを何でも買い与え、
好きなことを好き放題やらせるといった
育児態度です。

その結果、子供は人の言うことを聞かなくなり、
自己中心的な性格になると言われています。

保護型

世間一般で「過保護」と言われるような養育態度です。

失敗しないように、怪我しないように、
とにかく子供を守ろうとします。

この養育態度の親に育てられた子供は、
「いつも守られている」という安心感を
与えられることから、精神的に安定し、
穏やかになると言われています。

一方で、挫折や危険を知らない子になって
しまい、身を守る方法や失敗から立ち直る
方法を身につけられないこともあります。

また、親の保護から離れた場所に
憧れを抱く傾向もあります。

拒否型

拒否型とは、親が子供に対して
無視や拒絶の態度を取ることです。

子供は拒否され続けると不安を感じ、
挙動不審になったり、ナーバスな性格に
なる傾向が見られるそうです。

周囲の気を引いてかまってもらおうと
するため、粗暴な振る舞いをしたり、
時には反社会的な行為をしてしまう
ことすらあります。

「支配」+「保護」の過保護型

子供を過度に保護し、過干渉になり、
自分の考えで発言したり、行動したりする
機会を奪ってしまう育児態度です。

このタイプの親に育てられた子供は、
依存的な性格になりやすく、集団に
馴染むのが難しくなる傾向があるようです。

年齢を重ねても幼児的な態度、
振る舞いから卒業できなくなる
という例もあります。

「保護」+「服従」の甘やかし型

子供を過度に甘やかし、子供が求めることは
何でもやってあげるというタイプです。

このタイプの親に育てられた子は、
自己中心的で忍耐力がない状態に
陥る傾向があります。

「拒否」+「服従」の無視型

子供を突き放すような育児態度のことです。

このタイプの親に育てられた子は、
警戒心が強くなり、寂しがりな性格に
なる傾向があります。

また、親とのコミュニケーション不全のため、
情緒不安定になるとも言われています。

「支配」+「拒否」の残忍・残酷型

子供を無視しつつも支配・コントロール
しようとする養育態度です。

このタイプの親に育てられた子供は、
強情な性格になりやすいそうです。

また、親から逃れようと逃避行動を
することもあるようです。

サイモンズ式の派生的な考え方

サイモンズ式をベースに発展した考え方によると、
以下に示すような親の養育態度と影響を受けた
子供の性格傾向が見られるそうです。

①親の態度が支配的
    ↓
 子供の性格傾向
    ↓
 従順、自発性がない、消極的、依存的、温和

②親の態度が過保護、かまいすぎ
    ↓
 子供の性格傾向
    ↓
 幼児的、依存的、神経質、受動的、臆病

③親の態度が受容的
    ↓
 子供の性格傾向
    ↓
 思慮深い、親切、情緒安定

④親の態度が甘やかし
    ↓
 子供の性格傾向
    ↓
 ワガママ、反抗的、幼児的

⑤親の態度が服従的
    ↓
 子供の性格傾向
    ↓
 無責任、従順でない、攻撃的、乱暴

⑥親の態度が無視的
    ↓
 子供の性格傾向
    ↓
 乱暴、攻撃的、情緒不安定、創造性に富む

⑦親の態度が拒否的
    ↓
 子供の性格傾向
    ↓
 神経質、反社会的、注意を引こうとする、冷淡

⑧親の態度が残酷
    ↓
 子供の性格傾向
    ↓
 強情、冷酷、逃避的、独立的

という感じで、なかなか興味深い内容です。

ですが、親の態度も子供の性格傾向も
持って生まれた性格タイプや環境に
よって大きく左右されます。

なので、あくまで自分の養育態度や
子供の性格傾向を分析する際の
ツールの一つとして活用するのが
良いと思います。

OTTIで推奨している16パターンの
性格タイプにも、支配型になりやすい性格、
服従型になりやすい性格、保護型に
なりやすい性格、拒否型になりやすい性格も
それぞれ存在しています。

また、子供の性格傾向も16パターンの
性格タイプの中で、消極的になりやすい性格、
依存的になりやすい性格、反抗的になりやすい性格、
冷酷になりやすい性格などがそれぞれ存在しています。

親と子の性格タイプも考慮した上で、
バランスの取れた態度を目指していくのが
良いのではないでしょうか。

また、子供の年齢によっても
どの役割の心理機能が発達しやすい
時期かも変わってくるので、時間軸で
見た時にも良いバランスは変わってくると
思います。

心理機能とサイモンズ式分類の関係、
そして、養育態度のバランスの取り方に
ついては、またいつかお話ししたいと思います。

OTTIメソッドでは、親と子の相互作用を
重視していますので、さらに踏み込んだ
興味深い実践的な話ができると思います。

今回のワーク

それでは、今回のワークです。

以下の5つの質問について、
自分なりの考えを書き出してください。

①あなたの養育態度はどのタイプに
 分類されると思いますか?

②あなたの子供にはどんな
 性格傾向が現れていますか?

③あなたの親の養育態度はどのタイプ
 だったと思いますか?

④あなたにはどんな性格傾向が
 現れていますか?

③これからあなたはどのタイプの
 養育態度を取り入れていきたいですか?

客観的な視点を持ち現状を分析し、
適切なゴールを定めることで、
必ずより良い人生になっていきます。

これら5つの質問について書き出して
みると、意外な育児のヒントやあなた
自身の向上の鍵が見えてくるかもしれません。

ではでは。

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