親子で学べる心理学実践家のアスモです。
Google re:Workというコンテンツを
ご存知ですか?
GoogleがGoogleをはじめとする
様々な組織の働き方の先進事例、
研究やアイデアを集めたサイトです。
・イノベーション
・チーム
・ピープルアナリティクス
・マネージャー
・偏見の排除
・学習と能力開発
・採用
・目標の設定
という8つのテーマにわたって、
非常に含蓄のある示唆がなされた
内容です。
会社組織はもちろんのこと、
学校や家族においても応用の効く
内容だと私は確信しています。
私自身の学びを深めるためにも、
今後Google re:Workの内容を
もとにいくつか記事を書いていく
予定です。
今日のテーマは「効率的なチーム」です。
家族の関係づくりにおいても
非常に参考になる内容ですので、
最後までじっくり読み進めてください。
チームの定義
Googleはプロジェクトアリストテレスという
「効果的なチームを可能とする条件は何か」
を探るプロジェクトを行いました。
また、Googleはチームの定義を
明確にするために、ワークグループと
チームの定義を分けました。
ワークグループとは・・・
「相互依存性が最小限という特徴があり、
組織または管理上の階層関係に基づいています。
ワークグループのメンバーは、情報交換の
ために定期的に集まる場合があります。」
チームとは・・・
「メンバーは相互に強く依存しながら、
特定のプロジェクトを遂行するために、
作業内容を計画し、問題を解決し、
意思決定を下し、進捗状況を確認します。
チームメンバーは、作業を行うために
互いを必要とします。」
このプロジェクトではメンバー数が
3〜50名の「チーム」を対象に
リサーチが進められました。
チームの効果性は、次の4つの指標で
計測されました。
1 マネージャーによるチームの評価
2 チームリーダーによるチームの評価
3 チームメンバーによるチームの評価
4 四半期ごとの売り上げ
ノルマに対する成績
効果的なチームの5つの要素
リサーチの結果、
「誰がチームのメンバーであるか」
よりも「チームがどのように協力しているか」
重要であるという結論に達したのです。
そして、チームの効果性に影響する
5つの因子を見出しました。
因子の重要度順に以下に示します。
1 心理的安全性
チームメンバーがリスクを取ることを
安全だと感じ、互いに対して弱い部分も
さらけ出すことができる。
2 相互信頼
チームメンバーが他のメンバーが
仕事を高いクオリティで時間内に
仕上げてくれると感じている。
3 構造と明確さ
チームの役割、計画、目標が
明確になっている。
4 仕事の意味
チームメンバーは仕事が自分にとって
意味があると感じている。
5 インパクト
チームメンバーは自分の仕事について、
意義があり、良い変化を生むものだと
思っている。
また、チームの効果性にそれほど
影響していない要素も明らかにしています。
・チームメンバーの働き場所
(同じオフィスで近くに座り働くこと)
・合意に基づく意思決定
・チームメンバーが外交的であること
・チームメンバー個人のパフォーマンス
・仕事量
・先任順位
・チームの規模
・在職期間
5つの要素の中で圧倒的に重要なもの
チームの効果性が高いチームの
5つの要素のうち圧倒的に重要だった
ものはなんだと思いますか?
実は、「心理的安全性」でした。
心理的安全性の高いチームメンバーは、
「離職率が低い」
「他のメンバーが発案したアイデアを
うまく利用することができる」
「収益性が高い」
「効果的に働く」
とマネージャーから評価される機会が
2倍も多かったそうです。
「チームの心理的安全性」という概念を
最初に提唱したのは、ハーバード大学の
エイミー・エドモンソン氏だそうです。
エドモンソン氏による
「チームの心理的安全性」
の定義は次のようになっています。
「対人関係においてリスクのある
行動をしてもこのチームでは
安全であるという、チームメンバー
によって共有された考え」
チームの心理的安全性を計測する質問
エドモンソン氏は、チームの心理的安全性を
調べる際に次の7つの質問をするそうです。
1 チームの中でミスをすると、
たいてい非難される。
2 チームのメンバーは、
課題や難しい問題を指摘し合える。
3 チームのメンバーは、
自分と異なるということを理由に
他者を拒絶することがある。
4 チームに対してリスクのある
行動をしても安全である。
5 チームの他のメンバーに助けを
求めることは難しい。
6 チームメンバーは誰も、自分の仕事を
意図的におとしめるような行動をしない。
7 チームメンバーと仕事をするとき、
自分のスキルと才能が尊重され、
活かされていると感じる。
2、4、6、7が心理的安全性に
関するポジティブな質問。
1、3、5がネガティブな
質問になっています。
さらにエドモンソン氏はチームの
心理的安全性を高めるために個人に
できる簡単な取り組みとして次の
3点を提唱しています。
1 仕事を実行の機会ではなく
学習の機会と捉える。
2 自分が間違うということを認める。
3 好奇心を形にし、積極的に質問する。
効果的なチームの5つの要素を高めるためにリーダーができること
Googleは効果的なチームの5つの要素を
高めるためにリーダーができることとして
次の15個の取り組みを提唱しています。
心理的安全性:
・チームからの意見やアイデアを求める。
・個人的な仕事の進め方の好みを
チームメンバーに伝え、
チームメンバーにも自分自身の好みを
チーム内に共有するように促す。
・心理的安全性についてのエイミー・
エドモンソン氏のTEDx Talksを観る。
相互信頼:
・各チームメンバーの役割と
責任を明確にする。
・各メンバーの仕事に透明性を
もたらす具体的なプロジェクト
計画を策定する。
・誠実さに関するリサーチ研究に
ついて話し合う。
構造と明確さ:
・チームの目標を定期的に周知し、
目標達成のための計画を
メンバーに理解させる。
・チームでミーティングを開く際には、
明確な議題を設定し、リーダーを指名する。
・チームの仕事を整理する「目標と成果指標」
の導入を検討する。
仕事の意味:
・チームメンバーが効果的に行っている
取り組みに対して好意的なフィードバックを
提供し、メンバーが課題に直面している
場合には手を差し伸べる。
・誰かが自分を助けてくれた場合は、
メンバーの前で感謝の気持ちを伝える。
・目的意識に関するKPMGの事例を読む。
インパクト:
・各チームメンバーの仕事が、
チームや組織の目標達成に貢献するような
明確なビジョンを共同で策定する。
・自分またはチームの仕事がユーザーや顧客、
組織に与える影響をよく考える。
・ユーザーの目線で物事を評価する
仕組みを導入し、ユーザーに焦点を当てる。
家族関係に応用してみる
Googleが提唱している15個の
取り組みを家族のマネージャーや
リーダーであるあなたが家族に対して
行うためにはどうすれば良いでしょうか?
一緒に考えていきましょう。
各項目の下、→の横に記しているのが、
私のアイデアです。
心理的安全性:
・チームからの意見やアイデアを求める。
→家族に意見やアイデアを求める。
・個人的な仕事の進め方の好みを
チームメンバーに伝え、
チームメンバーにも自分自身の好みを
チーム内に共有するように促す。
→お互いの好きなこと、嫌いなことを
共有する。
・心理的安全性についてのエイミー・
エドモンソン氏のTEDx Talksを観る。
→家族で観てみる。
相互信頼:
・各チームメンバーの役割と
責任を明確にする。
→家族一人一人の役割と責任を
明確にする。
(お風呂掃除は長男の役割、
食事作りはお母さんの役割、
外で仕事をしてお金を稼ぐのは
お父さんの役割など。)
・各メンバーの仕事に透明性を
もたらす具体的なプロジェクト
計画を策定する。
→家族の中でお互いにどんな
役割を果たしていきたいかを
話し合う。
・誠実さに関するリサーチ研究に
ついて話し合う。
→誠実さに関するリサーチ研究を
子供にも理解できるようにまとめて、
家族で話し合ってみる。
構造と明確さ:
・チームの目標を定期的に周知し、
目標達成のための計画を
メンバーに理解させる。
→家族の目標を定期的に共有する。
目標達成のための計画を
家族メンバーに理解させる。
・チームでミーティングを開く際には、
明確な議題を設定し、リーダーを指名する。
→家族会議を開く際には明確な
議題を設定し、リーダーを指名する。
・チームの仕事を整理する
「目標と成果指標」の導入を検討する。
→目標と成果指標をどう家族に
応用できるか話し合う。
仕事の意味:
・チームメンバーが効果的に行っている
取り組みに対して好意的なフィードバックを
提供し、メンバーが課題に直面している
場合には手を差し伸べる。
→好意的なフィードバックを心がけ、
困っていることには手を差し伸べる。
・誰かが自分を助けてくれた場合は、
メンバーの前で感謝の気持ちを伝える。
→助けてもらったら家族の前で
感謝の気持ちを伝える。
・目的意識に関するKPMGの事例を読む。
→目的意識に関するKPMGの事例を
子供にも理解できるように
落とし込んで話し合う。
インパクト:
・各チームメンバーの仕事が、
チームや組織の目標達成に貢献するような
明確なビジョンを共同で策定する。
→家族でビジョンについて話し合い、
家族のビジョンを共同で決める。
(どんな家族にしていきたいかなど)
・自分またはチームの仕事がユーザーや顧客、
組織に与える影響をよく考える。
→友人、親戚、地域社会に自分たち
家族の行動が与える影響について
話し合う。
・ユーザーの目線で物事を評価する
仕組みを導入し、ユーザーに焦点を当てる。
→地域社会の目線で家族や
家族メンバーを評価し、
適切なフィードバックを行う。
ワーク
それでは、今日のワークです。
①Googleが突き止めた効果的な
チームづくりの5つの要素をメモする
②エドモンソン氏が提唱する、
心理的安全性を高めるために
個人にできる簡単な取り組みを
3つメモする。
③Googleが提唱する効果的な
チームづくりに対してリーダーが
できること15個をどうすれば
家族関係に応用できるか考える。
特に心理的安全性の概念は、
家族関係でも最も大切だと言っても
過言ではありません。
あなたとあなたの大切な家族の
可能性を引き出すためにも、
一度真剣に考えてみてください。
ではでは。
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