教える技術の最重要スキル=コミュニケーション

親子で使える心理学実践家のアスモです。

大人になると様々な場面で人に「教える」
機会があると思います。

家庭では子供に対して、職場では部下に
対してや顧客に対して何らかのことを
レクチャーする場面がありますよね?

で、その教える場面で最も大切な
スキルがコミュニケーションなのです。

今日は、誰かに何かを教える際に
重要となるコミュニケーションの心構えに
ついてお話ししていきます。

コミュニケーションが苦手な方は、
今日紹介する内容を日常生活の中で
意識するだけでも、すごく楽になると
思いますよ。

かくいう私もコミュニケーションが
苦手な人間だったからです。

目次

そもそも教育とは何か?

本格的なコミュニケーションの話に
入る前にそもそも教育とは何かという
ことを考えていきたいと思います。

まず、言葉の定義を考えてみます。

教育は英語ではeducationといいますが、
語源はラテン語のducere(連れ出す・
外に導き出す)という語です。

なので、「教育とは、人の持つ諸能力を
引き出すこと」という話もあります。

また、リチャード・ピーターズさん
という方は、教育を次の3つの基準を
満たす活動として定義しました。

1 教育内容-価値あるものの伝達
2 教育効果-ものの見方が広がる
3 教育方法-学習者の理解を伴う

その他にも様々な定義があると思います。

学術的にはいろんな考え方があると
思いますが、長年教育に携わってきた
私の考えを一言でまとめると・・・

「教育とはある存在が周囲の存在に対して
 現在よりもより良い未来が訪れるように
 意図を持って行われる働きかけである」

と広く定義しています。

例えば、学校教育も学校の先生が
一人一人により良い未来が訪れるように
という意図を持って行われていれば
私の定義の中での教育です。

また、野生動物が餌の取り方や
生き方のお手本を見せるのも教育です。

自分の個人的なメリットのために
他者を誘導したり、都合の良い情報を
流すというのは教育ではないのです。

あくまでも「働きかける対象により
良い未来が訪れるように」という意図に
基づいているかどうかが重要です。

ここの意図がズレていると、
バタフライエフェクトのように
最終的には大きな歪みになってしまいます。

意図や意識の発信点と方向性が非常に
重要になってきます。

コミュニケーションの重要性

教育では意図が大切ですよ
ということは何となくご理解
いただけたと思います。

まずは、
「相手により良い未来が訪れるため」
という意図に軸足を置いて欲しいです。

で、意図を明確にした後に重要なのが
コミュニケーションです。

いくら正しい意図を持っていたとしても、
コミュニケーション不全では教えるという
行為はうまくいきません。

どれだけ情報を整理して、どれだけ
熱意を持って伝えても、相手に
伝わっていなかったら
コミュニケーションは不成立です。

コミュニケーション(communication)の
語源はラテン語のコムニカチオ(dommunicatio)
という語です。

コムニカチオの意味は、
「分かち合うこと、共有すること」です。

一般にコミュニケーション上手というと、
「話すのが上手」「売り込みがうまい」
「プレゼンが上手」というような
イメージがあるかもしれません。

でも、本質は分かち合うこと、
共有することだと私も考えています。

一方的に喋り倒したり、立場を
利用して、相手のフィードバックを
受け取らなかったりする一方的な
ものはコミュニケーションではありません。

あなたが相手に対して教えたいことが
あるのであれば、どうやってそれを
シェアするのか、共有するのかを
考える必要があるのです。

パブリック・リレーションズ

教育でのコミュニケーションを
成り立たせる上で重要な概念として
「パブリック・リレーションズ(PR)」
という考え方が存在しています。

「えー、でも、PRってコマーシャルとか
 売り込みとか、電通的なやつでしょ?」

と思う方もいるかもしれません。

確かに世間一般的なイメージでは、
広告代理店とか宣伝って感じだと思います。

ですが、日本のPR業界の老舗である
井之上パブリックリレーションズという
会社では、以下の定義がされています。

「パブリック・リレーションズ(PR)とは、
 個人や組織体が最短距離で目標や目的に
 達する、『倫理観』に支えられた『双方向性
 コミュニケーション』と『自己修正』をベース
 としたリレーションズ活動である」

この考え方は、教育における
コミュニケーションを考える上でも
非常に重要です。

『倫理観』『双方向性コミュニケーション』
『自己修正』という3つのキーワードを伴った
リレーションズ活動(関係づくりの活動)。

『倫理観』がなければ自己利益を
追求せんがために他者を犠牲にする
ようなマインドになってしまいがちです。

『双方向性コミュニケーション』でなければ、
そもそも分かち合うこと、共有することは
成立しません。

『自己修正』がなければ同じ失敗を
繰り返してしまいます。

どれだけ素晴らしい意図を持っていて、
善良な人格をしていたとしても、
同じやり方を繰り返すだけでは、
同じ失敗を繰り返してしまうのです。

そして、
「何で自分はこんなに崇高な気持ちで
 人と接しているのに上手くいかないんだろう。」
という嘆きを抱えることになってしまうのです。

双方向性コミュニケーションの過程で
得られるフィードバックをきちんと受け取り、
それに応じて伝え方、働きかけ方を創意工夫
して変化させていくことが大切です。

数多くの親子のやりとりや上司・部下の
やり取りをみてきましたが、同じような
シチュエーションを繰り返している例が
多いのが実情です。

『倫理観』『双方向性コミュニケーション』
『自己修正』、この3つを意識するだけで
人間関係はかなり良い方向に向かっていきます。

フィードバックをキャッチする

ここまでいろいろと小難しいことを
書いてしまいました。

ざっくりとここまでの内容をまとめると、
教育におけるコミュニケーションで重要なのは、
正しい意図(相手の未来がより良くなるように)
を持ち、双方向性コミュニケーショを取りながら
自己修正して、関係を構築していくことです。

で、自己修正のために重要となってくるのが
相手のフィードバックです。

そして、フィードバックも言葉だけではない
ということが大切です。

こちらから働きかけをして相手が
どんな反応をするか(表情・声のトーン・
ボディランゲージ・言語化できない雰囲気)
など非言語の部分が実は重要になってきます。

言語によるフィードバックと
非言語によるフィードバックを
汲み取りながら自己修正し、
アプローチを柔軟に変化させるのが
キモです。

今回はコミュニケーションに関する
総論的な内容になりました。

今後「教える技術」のカテゴリーでは
コミュニケーションに関する実践的な
内容を紹介していく予定ですので、
楽しみにしていてください。

今回のワーク

それでは、今回のワークです。

以下の質問に答えてください。

1 あなたが尊敬している人物の
  名前となぜ尊敬しているか、
  理由を書き出してください
 (親、学校の先生、習い事の先生、
  先輩、上司など)

2 あなたが嫌いな人物の
  名前となぜ嫌いなのか、
  理由を書き出してください
 (親、学校の先生、習い事の先生、
  先輩、上司など)

3 あなたが教える立場の時に
  持っていた「意図」を書き
  出してください。

4 「相手の未来がより良くなるように」
  「倫理観」「双方向性コミュニケーション」
  「自己修正」というキーワードを踏まえて、
  あなたのこれまでのコミュニケーションで
  足りなかったところ、できていたところを
  書き出してください。

教える技術のカテゴリーでは、
次回からちょっとディープで
悪用厳禁な内容に入っていきます。

ではでは。

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